FXの税金の計算は、国内の会社を利用していた場合は申告分離課税となり、一律で20%となっています。海外の会社を利用していた場合は総合課税の雑所得扱いとなります。総合課税では収入の金額によって税率が変わってくるため、最大で収入の55%の税金を納めなくてはなりません。
また、国内の会社と海外の会社の損益を合算することはできません。しかし国内の取引であれば、過去3年間の赤字と相殺することができる「損益通算」という仕組みを利用することができます。損益通算することによって、その年に利益が出ていても過去の損失を埋めることで、納めるべき税金を節約することができるのです。ただ、海外での利益はその年1年間で計算するため、過去のものにさかのぼって合算することができないので要注意です。
FXで最も高いコストは取引にかかるスプレッドやマイナスのスワップ金利ではなく、「税金」です。申告方法を間違えてしまったり、故意に申告をしないでいると、追徴課税されて、本来よりもさらに高い税金を納めなくてはならなくなる可能性もあります。海外の取引の利益が少額だった場合は国内で取引をする場合よりも税金は少なくて済みますが、FXでは必ずしも利益が出せるわけではありませんので、申告分離課税の損益通算の仕組みは非常に重要です。ただしこの仕組みを利用するためには、赤字を出した年にも損失額を申告する必要があります。
損益結果は毎年年が明けると取引しているFX会社から送られてきます。中には自分で印刷をしなくてはならない会社もあります。取引結果に関する書類は非常に重要ですので、確定申告が始まるまで大切に保管しておきましょう。海外の取引の場合はそういった書類が送られてくることはありませんので、自分で取引結果を印刷するなどし、データを残しておく必要があります。